Food Navigator Asiaに論文が紹介されました(大学院人文社会科学研究科 有賀?健高教授)
2024/2/29
Food Navigator Asiaに大学院人文社会科学研究科 有賀?健高教授の論文を紹介する記事が掲載されました。
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論文の要旨
コロナの流行は、日本の経済と社会に深刻な影響を及ぼし、特に水産業は大きな打撃を受けることとなった。水産資源の中でも高級魚は外食でよく消費されるため、安価な大衆魚と比較して、パンデミックの影響を受けやすいと言える。そのため、本研究では、コロナの流行が高級魚と大衆魚に与えた影響の違いを調査した。
主にコロナ禍における自宅時間の変化が、豊洲市場の高級魚と大衆魚の価格に与えた影響を非線形自己回帰分布ラグ?モデル(NARDL)を用いて分析した。2020年の4月に初めて発動された緊急事態宣言直後は、在宅時間の増加による人流の低迷は、高級魚と大衆魚のどちらの価格にもマイナスの影響を与えていることが示されたが、この価格下落の影響は高級魚においてより顕著であった。また、2021年の6月に実施された第3回目の緊急事態宣言直後は、アジやイワシなどの安価で人気のある大衆魚は、人流の回復とともに価格が上昇するといった傾向が見られた。一方、高級魚である車エビにおいては、自宅滞在時間が増えている時に価格が下落する傾向が見られ、外食産業に大きく依存する高級魚については、人流が滞ると、価格に悪影響が出る可能性が示唆された。
以上より、コロナの流行といった人流に悪影響を及ぼすようなパンデミックが発生した場合、特に高級魚に関して、価格の安定、生産者や外食産業などの市場関係者への補助の支給といった政策が求められていると言える。
論文名 | The impacts of COVID-19 on seafood prices in Japan: A comparison between cheap and luxury products |
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著者名 | Kentaka Aruga ,Md. Monirul Islam,Arifa Jannat |
DOI | https://doi.org/10.1371/journal.pone.0291395 |
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