2019年度砥粒加工学会賞論文賞を受賞(大学院理工学研究科 池野 順一 教授)
2020/3/9
大学院理工学研究科の池野 順一 教授が2019年度砥粒加工学会賞論文賞を受賞し、2月28日に表彰式が行われました。
この論文賞は、砥粒加工学会誌の過去1年間に掲載された論文を対象とし、内容が優秀と認められるものに対して、先端的な加工およびその関連分野に関する学術を奨励し、先端的な加工の発展を促進することを目的としています。
氏名 |
池野 順一(イケノ ジュンイチ) >埼玉大学研究者総覧 |
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所属?職名 | 大学院理工学研究科?教授 |
受賞題目 |
高能率鏡面研磨用砥粒(MeCCA)の開発 ~サファイアに対する湿式研磨性能およびウエーハ品質評価~ |
池野 順一 教授のコメント
参考URL
賞状を手にする池野 順一 教授
本研究は埼玉県内企業「アサヒ化成工業(株)」と本学の共同研究成果です。
顔料メーカである企業は、これまで培ってきた優れた粉体技術がありました。大学は精密研磨研究の実績がありました。当該研究では電子材料として多用されるサファイアの精密研磨に企業の優れた粉体技術を移転しようと試みました。研磨には「砥粒」と呼ばれる粉体の工具が使われます。高能率な研磨は、ダイヤモンド砥粒が使用されますが、硬いが故に傷を残してしまい高精度には研磨できません。「能率」と「精度」を両立させるには、砥粒の概念を見直す必要がありました。そこで粉体の複合化技術を活かして、これまでにない湿式環境で使用可能なメカノケミカル砥粒の開発を試みました。その結果、ダイヤモンド砥粒に匹敵する高い研磨能率と傷のない鏡面創成が両立できる複合砥粒MeCCAの開発に成功しました。公益社団法人砥粒加工学会では、高い独創性と学術的?工業的価値を認めていただき、論文賞を頂戴することができました。
このたびの受賞は埼玉大学が地域産業の活性化に貢献していることを実証しており嬉しく思います。最後に、大変お世話頂いたオープンイノベーションセンターの皆様に感謝申し上げます。