科学雑誌「nature」に理工学研究科イェ助教、高木教授が解析に加わった「ヤクシマランのゲノムとランの進化」に関する論文が掲載されました
2017/9/20
理工学研究科戦略的研究部門イェ チャンミン助教と高木優教授が解析に加わった「ヤクシマランのゲノムとランの進化」関する論文「The Apostasia genome and the evolution of orchids」が「nature」9月号に掲載されました。ラン科は、5つ属からなります。本論文ではこれらの姉系統であるヤクシマラン属Apostasia shenzhenicaの全ゲノムを解析し、他の4種のゲノムおよびトランスクリプトームデータを比較解析することによって、ヤクシマラン属がランの祖先種であることを見いだしました。また、イェ助教は、トランスクリプトームデータの詳細解析から、ラン特有の遺伝子群の進化について明らかにしました。
イェ 助教
高木 教授
論文タイトル
The Apostasia genome and the evolution of orchids
概要
本論文ではラン科の5つの亜科の姉系統群となるヤクシマラン属Apostasia shenzhenicaの全ゲノムを解析した。加えてバニラ亜科、アツモリソウ亜科、チドリソウ亜科の代表種のトランスクリプトームに関するデータと、セッコク亜科の2種のゲノム配列を比較解析することによってランの5つの亜科全てを網羅する解析を行った。その結果、A. shenzhenica属が、ランの祖先種であること、およびランの進化の過程で起こった遺伝子ファミリーの拡大や縮小、植物着生の進化についても新たな洞察が得られた。
ポイント
本研究によって、ラン科の亜科同士の関係が明らかになった。この研究は、被子植物内でのランの進化史の解明に役立つであろう。イェ助教は、専門分野である転写因子について、ラン特有の遺伝子群の進化について明らかにした。
成果
ラン科の5つの亜科のゲノム、トランスクリプトームの比較解析により、ラン植物の進化過程が明らかになった。
参考リンク