「International Symposium: ASIA in Modern」を開催しました
2018/4/26
3月24日(土)埼玉県立近代美術館の講堂において、FeRDSU(Female Researchers with Doctor's degree of Saitama University)主催、埼玉大学男女共同参画室後援により「International Symposium: ASIA in Modern」を開催しました。これは、埼玉大学において博士の学位を取得した、あるいは取得予定のアジア諸国の女性研究者が、研究発表を行うシンポジウムで、日本とアジア諸国間の友好を深めること、そして埼玉大学の魅力を世界に発信し、女子留学生の博士課程への進学を促進することを目的としています。
アジア諸国の女性研究者(発表者)と
日本人学部生(司会?Q&A通訳?受付)
スリランカ大使のメッセージを代読する
Thilini Bhagya Ihalage二等書記官
当日、研究発表を行ったのは、埼玉大学大学院理工学研究科で研究員を務めるスリランカ出身のAyesha Dilrukshi博士、同じくスリランカ出身で同大学院博士後期課程3年生のUdayagee Kumarasingheさん、同大学院博士後期課程2年生でミャンマー出身のNaw Jacklin Nyuntさん、埼玉大学経済学会のHarumi Kanzawa博士(日本)の4名です。また、司会?Q&A通訳?受付は、埼玉大学の日本人学部生が担当しました。それぞれの研究者が司会者から紹介されたのちに約15分の研究発表、加えて約7分の質疑応答を行う形で、プログラムは進行しました。
※プログラム(Program)はこちらをご覧ください。
Ayesha Dilrukshi博士は「Engineering Solutions for Addressing the Infrastructure Challenges of Developing Countries: Studies for Sustainable Landfill Cover Development and Contaminated Ground Water Treatment(開発途上国のインフラ課題解決のためのエンジニアリングソリューション:持続可能な埋立地の覆土開発と汚染地下水処理に関する研究)」と題した研究発表を行いました。研究の成果は、熱及びガス輸送の最適な特性を有するコンポスト混合埋立地覆土の設計に応用することが可能だといいます。
続けて登壇したUdayagee Kumarasingheさんは「Remediation of Contaminant Groundwater in Developing Countries by Using Low Cost Materials(低コストな素材を活用した開発途上国の汚染地下水の浄化)」というタイトルで発表を行い、汚染された地下水を浄化する方法という、これまで取り組み続けてきた研究を紹介しました。Udayageeさんは、この研究で、国際会議(第7回GEOMATE 2017)において最優秀論文賞を受賞しています。
なお、Ayesha博士もUdayageeさんも育児をしながら研究を続けており、研究と育児の両立が可能なことを、身をもって示していました。
3人目の発表者として壇上にあがったNaw Jacklin Nyuntさんはミャンマーのトップランクの大学であるヤンゴン?コンピュータ技術大学でコンピュータサイエンスの修士号を取得した後、埼玉大学大学院理工学研究科の博士後期課程に進んだ経歴の持ち主です。研究発表では「Parametric Wiener Filter with Parameter Estimation on Image Power Spectrum Sparsity(画像のパワースペクトルのスパース性のパラメータ推定を用いたパラメトリックウィーナーフィルタ)」と題し、来日してから取り組んでいる、画像処理、画像ノイズ除去及び復元に関する研究内容を説明しました。
そして、4人目の発表者を務めたHarumi Kanzawa博士は、これまで様々な農村地帯を訪れ、高齢女性たちの主体的な活動の実態を調査?研究してきたといいます。「Continuity of Elderly Women Group Activity in Japan Rural Areas: Focus on Elderly Women Directors of Economic Organization(日本農村における高齢女性グループ事業の継続性:事業組織の高齢女性取締役に焦点を合わせて)」と題した発表では、研究テーマを紹介するとともに、事例研究によって導き出した、高齢女性グループが事業経営を継続できる要因について解説しました。
4名の研究発表が終わると、主賓として招かれたスリランカ大使館のThilini Bhagya Ihalage二等書記官が登壇しました。主賓挨拶として、「現在、日本では数多くのスリランカ女性が活躍しているが、今回のような素晴らしい機会がきっかけとなり、さらにスリランカ女性とアジア諸国の女性が活躍することを願っている」というスリランカ大使のメッセージが代読され、会場は大きな拍手に包まれていました。
その後、Ayesha博士による御礼挨拶、記念撮影に続いて行われた意見交換会では、埼玉大学のロゴが入った祝賀ケーキと狭山茶が提供され、約2時間30分に及んだシンポジウムは大盛況の内に幕を閉じました。
- Ayesha Dilrukshi 博士の研究発表
- Udayagee Kumarasinghe さんの研究発表
- Naw Jacklin Nyunt さんの研究発表
- Harumi Kanzawa 博士の研究発表
- 埼玉大学のロゴが入った祝賀ケーキと狭山茶
参考URL